「佐久スキーガーデン パラダ」

〜子供が楽しめるスキー場〜

2015年1月24日

スキー場の写真1

子供が楽しめるスキー場を新たに発見!


今まで軽井沢プリンススキー場蓼科東急スキー場など”子供が楽しめるスキー場”という視点でいくつかスキー場を見てきましたが、今回新たにいいスキー場を義理の弟に教えてもらい、日帰りで行ってきました。


そのスキー場は「佐久スキーガーデン パラダ」です。


驚愕のアクセスの良さ「佐久スキーガーデン パラダ」


なんと驚くことに「佐久スキーガーデン パラダ」は上信越自動車道の佐久PAに直結しているのです!

その仕組みは、上信越自動車道の下り線を長野方面に進み、佐久PAに入るとすぐに”スキー場”と書かれた看板が目に入ります。その指示通りに左に曲がり、小高い丘を登っていくと大きな駐車場に着きますが、その駐車場にPAには似つかわしくない大きなエスカレーターがあり、実はそこを上がるとスキー場なのです!

ちなみに我が家のあるさいたま市からはちょうど2時間くらいで到着しました。


ところで、高速のPAを出ることなくスキー場に行けるとなると、帰るときはどうするんだろうと思われる人もいると思います。

しかし、これまた便利にできていて上記のスキー場に上がるエスカレーターの横に佐久スマート ICがあり、高速を降りることができるのです。高速を降りてから下道をぐるっと回って東京方面の入り口に行かなければならないかと思いきや、実は佐久スマートICを出て十数メートルのところに東京方面のスマートICがあるのです!

つまり、実質下道を走ることなく東京方面の上信越自動車道に出られるのです!

本当に驚愕のアクセスのよさです。


ゲレンデマップ

初心者向けのコース構成、ほぼ混雑はなく雪質も思った以上に良い


さて、このスキー場ですが標高800-1000mの小高い山に立地しており、大きく4本のコース、斜度別に見ると7本のコースから構成されています。

7本のコースのうち上級が2本、中級が1本なのでおよそ6割が緩斜面という子供の練習には理想的なコースだと思います。

なお、佐久PAに直結している「南パラダ」からメインエリアである「北パラダ」に行くためには一度頂上まで上がり、一つ上級コースを滑らなければならないため、初めてスキーをする子供がいる場合には「南パラダ」で1日過ごすか、一度佐久ICで上信越自動車道を降り、「北パラダ」側に車を止めた方が良いと思います。


今回、昼過ぎから正味3時間くらいスキーをし、合計10回くらいリフトに乗りましたが、並んだのは2回くらいで、それも5分も並ばない程度ですので混雑を感じず、とても快適にスキーができました。


コース幅は、混雑度が低いこともありそれほど気になりません。




ただ、頂上から北パラダに降りるところに一部中級レベルの斜度でコース幅が4-5mしかない林間コースがあり、アイスバーンになっている箇所も比較的多いため子供と滑る場合には注意が必要かもしれません。

(左の動画)

我々が訪れたのは1月中旬の晴天で気温が0〜1度の日でしたが雪質については正直あまり期待していませんでしたが、雪が溶けてベチャベチャになっているところもなく、アイスバーンも上級コースの一部のみで標高がこれくらいのスキー場の割には良い気がしました。



子どもが楽しめるキッズランド、バラエティーに富んだ食事施設


「北パラダ」「南パラダ」の両方に”キッズランド”というソリ遊びができたり、雪遊びができるエリアがあり、スキーに疲れたら休みながら安全に雪を楽しめる設備があります。


また、今回は昼過ぎに到着したこともあり我々は北パラダにあるメインの建物の前にあるクレープ屋さんでクレープをいただいただけでしたが、食べるところはイタリアンレストランあり、ラーメン屋さんあり、カフェテリア、ファーストフードありという充実ぶりで、十分な許容能力もあることからスキー場によくある食事をとるのに長い時間並ばなければならないということもなさそうです。

さらにメニューにもこだわっている様子が伺え、地元信州の食材「信州サーモン」や「安養寺みそ」などを使用した料理があるようで、次回行く時には試してみたいと思っています。
(詳しくはスキー場のオフィシャルページをご覧ください。)


スキー場からの夕焼け

晴天率90%のスキー場!


今回もそうでしたが、このスキー場は晴天率が90%とのこと。

そのため頂上から見下ろす街並みと山々の景色は格別で特に山々に太陽が沈んでいく夕方の景色はとてもきれいでした。


今まで行った3つのスキー場を”子どもが楽しめるスキー場”という観点で比較!


まずは”子供が楽しめるスキー場”の定義について私なりに整理してみました。

『アクセスが良いこと』

基本的にDVDを一本見ると到着する時間である片道2時間以内を目安にしています。

それくらいの時間であれば子供たちがDVDに夢中になっている間に到着してしまうからです。

また、カーブやアップダウンが少ない道路状況という点は車酔いしやすい我が子にとってはとても重要な要素です。その意味では高速を降りてから下道の距離が最小限であることが重要です。


『緩斜面の割合が多いこと』

大きなスキー場であっても緩斜面の割合が少ないところでスキーを始めると、それなりに斜度のあるところを滑らなければならず、その結果スキーの楽しさを感じる前に恐怖を感じてしまいます。

最初のハードルを最小限にする意味で最初は出来る限り緩斜面を多く滑る方がよく、私は緩斜面の割合が50%以上というのを一つの目安としスキー場を選んでいます。


『混雑度が低いこと』

混雑しているスキー場では、スキーをしている時間よりもリフトに並ぶ時間の方が長くなってしまい、スキーを楽しく感じる前に飽きてしまいます。

また、滑っている途中に多くのスキーヤーが目に入り、周囲のスキーヤーにぶつからないようにするのに気を取られ、スキーの楽しさを感じる時間が短くなってしまうため、その観点でも混雑度は低いほうがいいと思います。


なぜ、ここまで”子どもが楽しめる”ということにこだわるのか、それには子供の能力を最大限伸ばすという観点で私なりの理論があります。

能力を最大限発揮するためには「のめり込む」という状況を作る必要があると思っており、その「のめり込む」という状況を作るために必須の要素が「楽しむ」ということだと考えています。

しかし、純粋に対象の物事に「のめりこむ」という状況を作るのは、容易なことではありません。

たとえば、今回のスキーのケースで言えば、車に乗る時間が長くスキー場に着く前に飽きてしまったり、車酔いをして嫌な気分になったりとスキーと全く関係のないことでスキーを始める前にスキーという対象物に対して嫌な印象を持ってしまうかもしれず、もしその子がスキーに驚くべき才能があったとしたら、もしくはスキーを一生のスポーツにするくらいスキーと相性がいい子供だったとしたらとてつもない機会損失だと私は思います。

 

子供の能力を最大限引き出すことに対する主要な役割を担っているのが親ですから、対象の物事以外の要素をできる限り感じさせなくする環境を作ることが親の支援の一つの形ではないかと考えているからです。


さて、それでは上記の3つの要素について昨年からの一年間で訪れたスキー場を比較してみましょう。

軽井沢プリンス
スキー場
蓼科東急
スキー場
佐久スキーガーデン
パラダ
アクセス
車で2時間。
高速降りてから30分程度山道を走る。
凍結箇所あり。新幹線1本でいける。
✖️
車で3時間半。
高速降りてから1時間程度を走る。
凍結部分は半分くらい。

車で2時間。
高速直結、下道走行なし。

コース
10本、初心者向け50%

3本、初心者向け33%

4本、初心者向け60%
混雑度✖️
とても混んでいる

混雑はほぼなし

混雑はほぼなし

上記の3カ所のスキー場の中では今の所今回伺った「佐久スキーガーデン パラダ」がスキーをほぼ始めたばかりの小さな子供がいる我が家族にはぴったりだと思います。

理由は上記の比較を見ていただければ一目瞭然ですよね。

加えて食事をするところの豊富さ、晴天率90%の景色が加わるわけですから言うことなしです。

しばらくは「佐久スキーガーデン パラダ」に通うことになりそうです。(笑)


街並み

「佐久スキーガーデン パラダ」のある佐久市の状況


上記のようなスキー場ですが、このスキー場が立地する佐久市とはどんな地域なのでしょうか。いつものようにちょっと調べてみました。

【人口推移】

佐久市の人口は、3町村を吸収合併した2005年以降ほぼ10万人を維持しており、全国的に人口が減少している中では稀有な地域といえます。


しかし、高齢化率は年々確実に上昇しており2012年時点で26.1%と類似団体平均は23.9%を上回る水準となっています。


【 財政状況】

行財政状況を見てみると、財政力を示し1を越えると財政力が高いと言われる財政力指数(2012年データ)は類似団体平均の0.74を下回り0.52と財政力は高いとはいえません。


財政の柔軟性を示し75%を上回らないことが適正と言われている経常収支比率は、81.2%と適正水準を若干上回りますが、類似団体平均が90.6%であることから、全般的に財政が硬直化している団体の中では比較的柔軟性のある財政状況と言えます。


歳入を見てみると税収は類似団体の2/3程度と税収は低い方です。( 12,230,343千円:類似団体 17,176,267千円)。


類似団体と比較して低い税収ですが、次世代への借金を示す将来負担比率は0と類似団体平均の67.4を大きく下回っており、将来への負担がないことを示しています。

また、将来への貯金を示す財政調整基金は類似団体の倍近くあり、健全な状況です。( 6,021,822千円:類似団体  3,684,343千円)。

用途別の支出を表す目的別歳出の中でも特徴的なものは、類似団体平均の倍近い額となっている一人当たり教育費であり、ここだけを見る限り教育投資に力を入れていることがうかがえます。

以上の行財政状況を見ている中で一つ不思議に思ったことがあります。

それは、税収が低く、借金表す地方債残高も類似団体を同じくらいあるにも関わらず将来負担率が低く、財政調整基金が多い。また、基準財政需要額は類似団体とほぼ同じだが基準財政収入額は類似団体より少ない。

言うなれば給料が平均以下なのに人並みの生活をしており、借金はなく、潤沢な貯金を持っているのと同じ状況であり、なかなか考えづらい状況ですが、地方自治体の場合は基準財政需要額と基準財政収入額の差から計算される地方交付税によりこのような状況が起こります。


事実佐久市の地方交付税は類似団体の1.7倍(12,913,428千円:類似団体 7,604,628千円)となっています。


佐久市は、人口規模に対して必要とされる財政規模と実際の収入に乖離がある、つまり人口規模に見合う収入力がない(もしくは基準となる行政サービスが過剰か)ため国の財源に大きく頼ることで行政サービスを維持している市といえます。


ちなみに「佐久スキーガーデン パラダ」は佐久市と地元企業および地元の金融機関により企画・運営されたいわゆる第三セクター施設として作られたようですが現在の佐久市の第三セクター一覧には含まれていないことから地元企業による完全民間経営に切り替えられたようです。

佐久市の歳入におけるもう一つの特徴として貸付金元利収入(一般企業などに貸与した資金からの収入)が類似団体平均の4倍、歳入の8%を占めており、もしかすると高速道路から直結しているという差別化要因を持つ「佐久スキーガーデン パラダ」の運営がうまくいっており、この事業への投資が回収されつつあるのかもしれません。


高齢化率:全人口に占める65歳以上人口の割合
類似団体:人口と産業構造の観点から類似した団体
財政力指数:地方公共団体の財政力を示す指標として用いられるものであり、基準財政収入額を基準財政需要額で除した数値である。通常は過去3カ年の平均値を指す
経常収支比率:県税や地方交付税など使い道が自由な一般財源に対する、必ず支出しなければならない経費の割合。
将来負担比率:地方公共団体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。
基準財政需要額:各自治体が必要とする一般財源額
基準財政収入額:各自治体が標準的な状態で徴収できる税収

写真

最後に


今回はあまりにアクセスが良すぎるため下道をほとんど走ることがなく佐久市の雰囲気を感じることができなかったため家に帰ってから佐久市についてググってみました。


ネットの情報によると佐久市は長野の中でも移住者の多い地域のようで空き家バンクでの成約率がとても高いとのこと。

ネットの情報ですのでどこまで信憑性があるかわかりませんが、全国的に人口が減少している中で少しずつですが人口が増加している(国政調査結果より)ことから事実なんだろうと思います。


佐久市に限らず、原村(人口8000人ほどの村ですが50人/年で人口が増加)など長野県には人口が増加している地域がいくつかあります。


私は夏にキャンプ(「標高900mの山の中にある森のキャンプ場」)、冬にスキー(「軽井沢プリンススキー場でファミリースキー」、「蓼科東急スキー場でファミリースキー」)に来る程度の接点しかありませんが、この地域にはやさしい人が多いように感じます。

人に優しくするには、その人自身が幸せでなければならず、おそらくこの地域の人たちは一定以上の幸福感を持ち生活をしているではないかと思います。

人がここに集まる理由を表す定量的なデータは何もないですが、私はいつかこの地域に住みたいなと感じていることは間違いなく、きっと何か惹きつけるものがあるのだと思います。


ところで今回伺った「佐久スキーガーデン パラダ」ですが、小さな子どもがいる家族連れにはとてもいいと思います。

利便性がとても高いためかスキー場にいるお客の構成を見てみると家族連れと同じくらいの割合で20代の若者グループが多く楽しんでおり、アスリートスキーヤーには向きませんがスキーを楽しみたいという方には向いているスキー場ではないでしょうか。


ただ、このスキー場に関して一つだけちょっと気がかりなことは、佐久PAからスキー場に続くエスカレーターにおいて注意が必要なこと。

特に下りですが、滑りやすく地面の感覚がつかみづらいスキーブーツを履き、板とストックで両手がふさがっている状態で幅が狭く、金属がむき出しのエスカレーターのステップに乗ることは大人の私でもちょっと危ないなと感じました。

実際、両手にストックを持っていた長男は足が滑り、エスカレーターから落ちてしまいました。

幸いにも前に人がいたため2、3段落ちたところで止まり、膝を擦りむく程度で済みましたがその人がいなかったら顔から落ちていた可能性があり、ぞっとします。


このスキー場が小さな子供達をターゲットにしているのであればエスカレーターに滑り止めをするなど何か工夫をしたほうがいいとおもいます。

何か工夫がされるまでは北パラダ側に車を止めることをお勧めします。